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2009/02/07

もの食う作家たち その三

「バナナは皮を食う」檀ふみ・選

「暮しの手帖」に掲載された食のエッセイの中から
昭和(「インスタントラーメン革命」前夜)のものを檀ふみが選んだアンソロジー。
わりに気楽にだらりと読める他の2冊とは違い、
ちょっと「お硬い」印象です。
(ハードカバーだし)

が、なにせ「暮しの手帖」なので、ユーモアのある文章ばかり、
戦争にまつわる話も多い。
逆に、檀ふみが「けしからん」と言うゼイタクな話もある。
(私には「けしからん」とは思えなかったけど、
ふみさんが先に「けしからん」と怒ってくれていたせいかもしれない)
いずれにせよ、まだ「食」が「生」にまっすぐつながっていた、
生きることと食べることがほとんど同じ意味だった時代の話には
(ふみさん曰く)ラップ越しでも手で握っているうちはよかった、
おにぎりすら買うものである現在では書けない、重さと濃さがあります。

タイトルの「バナナは皮を食う」とは、文字通り、
われわれが口にしているのは「実」でなく「皮」の一部だという
牧野富太郎のエッセイより。
郷愁とも美食とも無関係な、ほぼ科学的な解説のみのこの話を
本のタイトルにしたところが面白い。

バナナは皮を食う―暮しの手帖 昭和の「食」ベストエッセイ集 (単行本)

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