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2015/12/31

今年の10冊 2015年編

まる1年ぶりに更新です、と(開き直って)書こうと思ったら5月に書いていましたね。
かえって余計だったような...

では、年末恒例の今年の10冊です。

* * *

『小川洋子の陶酔短篇箱』で「逢びき」を読んで以来、気になっていた木山捷平
(なんなんだこれは、というおもしろさだったので)、
今年『新編 日本の旅あちこち』が出てすぐ読み、
電子書籍で『鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選』も。
優しくてとぼけたおじさんの話を聞いているよう。
まるで私が好きになるタイミングを待っていたかのように(!?)
もうすぐ新しい本がなんと3冊も出るとのこと。

新編 日本の旅あちこち (講談社文芸文庫) 鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選 (講談社文芸文庫)


あちこちで評判を目にしていた『珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎』(タイトルも素敵すぎる!)
同じ屋根の下で生活したこともある近しい友人でありながらも
詩人とそのパートナーの女性や女性の別のパートナー、友人たちを
冷静に「観察」したといってもいい淡々とした文章。
ですが、その淡々とした文章になんとも引き付けられる力があり、
幸せな話とはいいがたいのに気持ちがあたたまるような、不思議なエッセイでした。
そして、さらに不思議なことに、すぐ後に読んだコロナ・ブックスの『作家の珈琲』に
まさにこの詩人、北村太郎とコーヒーのエピソードが。

珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎 作家の珈琲 (コロナ・ブックス)

余談ですが、北村太郎とパートナーの女性が主人公のドラマをWOWOWが放送予定で
『珈琲と~』の世界が映像に、とわくわくしたのに、メインビジュアルがメロドラマっぽくて...
少なくともあの本の二人は、まったくこんなイメージじゃない...


私はわりに「かわいい」ものが好きで、でもその基準はけっこう厳しいと自認しております。
今年は本も「かわいい」で選んだものも多く、中でもかわいさ満点なのが
『ファイン/キュート 素敵かわいい作品選』。
甘あまではなくて、きりっとしたところがある。ファインでキュートな作品ばかり。
私が昨年の5冊に選んだ『妻が椎茸だったころ』の表題作も入ってます。池田澄子さんの句も、ちょうキュート。

ファイン/キュート 素敵かわいい作品選 (ちくま文庫)


かわいい、の一歩先に感じるのが、ほしよりこさんの漫画。
猫村さんも「かわいいプラスなにか」がある気がします。
そしてむしろ「かわいい」から遠く離れた『逢沢りく』、今年は文芸書はあまり読まなかったけれど
これ一作で十分だったからかも。

逢沢りく(上) (文春e-book) 逢沢りく(下) (文春e-book)


今年、手にすることが激増したネコ関係の本。その中から、ハズレのない岩合さんの写真集を除いて2冊。
かくちゃんこと角田光代さんの小説は(申し訳ないけど)読まないかわりに、
食べ物エッセイとネコのトトのブログは大好き。今年はついにトトはんのエッセイが出ました。
それと、少し前に出た本ですが、NHKの俳句番組でかわいいネコのイラストと俳句を拝見して
きっとよい本に違いない、と信じて買いましたらその通りだった『ねこはい』。
南伸坊さんがネコになりきってつくった俳句です。
今年になって俳句に興味をもつようになったのは、もしかしたらこの本がきっかけだったのかも?

今日も一日きみを見てた ねこはい


最後に「翻訳」ものを。
私にとって翻訳ものは、作品の内容は質よりも訳との相性がとても重要で、
どんなに評判のいい小説でも、よさがまったくわからない...という場合が多く、
だからめったに手を出しませんし、今年も何冊か挑戦しましたが
ご覧のとおり、出てきません。
そんななか、「懐かしさ」と訳の親しみやすさでとても楽しく読めた
台湾の作家、呉明益の『歩道橋の魔術師』は貴重な1冊。
楽しいとっても、笑えるとか痛快とかではなくて、私はこの世界を知っているのではないか、
という共感があったから。
喪失感の強いエピソードが多いのに、なにも失われていないとも思える共感。
もうひとつ、日本の古典から『虫めづる姫君 堤中納言物語』。
これは「かわいい」ジャンルに入れてもよかったかも、
蜂飼耳さんの現代語訳が読みやすくて、ふつうに楽しい。ちっとも古くありません。

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス) 虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫)

* * *

今年はほんとうに小説を読まなかった、というよりも、それなりに読んだけれど記憶に残らなかった、
というのが読書記録をチェックしたときの一番の印象でした。
その時どきは感動していたと思うのですが。
来年(といっても明日からですね)は一作一作をきちんと読みたいし、
翻訳ものにももうちょっと馴染みたいし、場所をとっているアート関係の積読の山も
そろそろ手を付けなければならないし、などなど、抱負というより課題がいっぱいです。

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